なぜ時間術があるにもかかわらず、多くの人が時間の悩みを抱えているのか【ユア・タイム】

成功
  • 時間をもっとうまく使いたい
  • このままの時間の過ごし方でいいのだろうか
  • いつも時間が足りず、何かに追われている

という時間の使い方に満足していないという方へ、この「時間不足の解決方法」について知りたい方は是非最後まで読んでいただけると嬉しいです!

時間術には大した効果はない

「TO DO リスト」、「スケジュール帳」、「イフゼン・プランニング」など世の中にはたくさんの時間をうまく使うための「時間術」があります。

しかし、これほどの時間術があるにもかかわらず、いまだに多くの人が時間の悩みを抱えています。

いったいそれはなぜなのでしょうか。

結論から言うと、「万人に効果がある時間術はいまだに1つも見つかっていない」のです。

実は、いまのところ大半の技法には大した効果が認められておらず、そもそもまともな検証すら行われていないケースが普通なのです。

では、なぜ時間術には効果がないのでしょうか。

1.時間術を駆使しても仕事のパフォーマンスはさほど上がらない

時間術と仕事のパフォーマンスの関係を調べた研究によると、時間術と仕事のパフォーマンスには「r=0.25」の相関しかありませんでした。

数字が1に近いほど両者は関係があるとみなされ、このデータで使われた分析法では、0.5以上の値を取れば大きな関係があると判断されるのが一般的です。

つまり、時間術でパフォーマンスが上がることがあるが、効果を実感できない場面が非常に多いと考えられます。

しかし、こんな結果も出ています。

時間術が最も効果を発揮するのは「人生の満足度」で、仕事のパフォーマンスよりも72%も影響度が大きい。

つまり、時間術は仕事のパフォーマンスを上げるよりも、メンタル改善のメリットの方が大きいということです。

現代人が時間術への信頼を失わないのは、私たちのメンタルを改善してくれるからと言えます。

2.時間の効率を気にするほど、作業の効率は下がる

この理由の1つ目が、効率を追うことで私たちの判断力が下がる問題です。

これは「トンネリング」と呼ばれ、いくつものタスクを効率よくこなすうちに脳の処理能力が限界に達し、適切な選択をする能力が下がってしまうことを言います。

このトンネリングにより忙しさが増すことで、「受信トレイを空にした」や「友人の頼みに応えた」という手軽なタスクだけで満足してしまい、健康や勉強などの長い目で見て重要なタスクにいつまでも手つかずになってしまうのです。

2つ目は、創造性の低下です。

効率を求めて時間を気にすることで、大半の人は思考の広がりがなくなり、そのせいで最終的な成果の量まで減ってしまいます。

現代の仕事の7割は創造的な発想が求められると言われています。

時間の無駄にこだわることでパフォーマンスが下がるのは事実であり、そもそも効率アップばかり目指していたら、新たな効率化のアイデアすら浮かばないかもしれません。

3.時間をマネジメントするという発想の根本に無理がある

実は、大半の時間術は時間の使い方とは関係がありません。

この理由は例えば、「ToDoリスト」は時間を有効に使えるというよりは、未完了のタスクを書き出すことで、頭の中が整理され、無意識の不安を減らす効果があるという結論が出ています。

他にも、「締め切り」によって生産性がアップする人がいるのは、「私には他のことをする時間がない」という認識を強めることが原因だと言われています。

そもそも1日は24時間と決まっており、時間のコントロールには上を目指そうとしても限界があります。

そのため、さらに上を目指そうとしたら、「時間以外の対象を管理する」しかないのです。

では、時間術で本当に管理すべきものとは何なのでしょうか。

あなたが時間をうまく使えない驚くべき理由

時間術で本当に管理すべきものの前に、「時間」について考えたいと思います。

そもそもの疑問として、「人間は時間をどうやって把握していると思いますか?」

時計を見れば「今何時だろう」、「起きてから3時間経ったな」ということがわかります。

しかし、時計を見なくても「そろそろ1時間経ったな」という時の流れを感じることが出来ると思います。

よく考えてみると不思議ではないでしょうか。

物を見るための眼、音を聞くための耳と違い、時間を味わうために備わった感覚センサーはありません。

それなのに私たちは時の流れを感じることが出来ます。

いったい時間とは、何を感知しているのでしょうか。

結論から言うと、「私たちは時間の流れなど実感できておらず、世界の変化率を時間と呼んでいる」

つまり、未来と過去についてこう言えます。

未来とは、「今の状態の次に起こる確率が高い変化を脳が予期したもの」

過去とは、「今の状態の前に発生した確率が高い変化を脳が想起したもの」

実は、私たちの脳は常に確率を計算しています。

例えば、原始時代の頃には、現代では考えられないくらいの危険がたくさんありました。そのため、

  • 草むらが激しく揺れるときは、猛獣が潜んでいる可能性が高い。
  • 遠くに狼煙が上がるのは、他の部族の襲撃がある確率が高い。
  • 長い雨が続く時期には、高熱を発する病の発生率が高い。

といった過去の体験データをもとに危機の発生率を判断できるかどうかが生死をわけました。

つまり、脳が過去の体験データをもとに危機が起きる確率を計算し、この精度が高いほど生き残れたのです。

では、「時間とは何を感知しているのか」の話に戻ります。

先ほど、「私たちは時間の流れなど実感できておらず、世界の変化率を時間と呼んでいる」と言いました。

これは、ビルの解体を想像するとわかりやすいです。

あなたは散歩の途中で瓦礫の山を見たとします。

するとあなたの脳は、過去の体験データをもとに確率を計算し、「これは解体作業によってできた瓦礫だろう」という過去を生み出します。

これが「想起」です。

さらに、あなたの脳は続けて想起の結果をもとに次に起こりそうな出来事の確率を計算します。

その結果、「誰かが片付けない限り瓦礫はそのままだろう」という未来を作り出します。

これが「予期」です。

そのためあなたが時間をうまく使えない理由とは、

世界のあらゆる変化を「予期と想起」という主観的なものとして解釈しているため、客観的な時間の管理には限界があるのです。

すなわち時間術で本当に管理すべきものとは、私たちの意識の内側における時間、「予期と想起」を調整することこそが本当の時間術と言えるのです。

つまり本当の時間術とは、予期と想起のズレ、すなわち「時間感覚」を直すものであり、

予期にズレががある=「以降に起きることへの確率の見積もりが甘い」

想起にズレががある=「以前に起きたことへの確率の見積もりが甘い」

と言えます。

自分に合った時間術とは

予期と想起の濃い・薄いを縦軸にし、多い・少ないを横軸にしたときに、それぞれ4パターンに分けることが出来ます。

実は、この予期と想起のズレには個体差があり、人によって効果がある時間術が異なります。

そのため、自分は4つのどこのパターンに当てはまるか調べる必要があります。

こちらからどこに当てはまるか調べることが出来ます。

この診断結果をもとに、自分に合った時間術を使うことで、時間感覚を調整することが出来ます。

具体的な時間術については、『ユア・タイム』を読んで、ぜひ実践してみてください!

本の内容は専門用語が出てくるので少し難しいですが、具体例がすごく簡単でわかりやすいので、読みやすいと思います!是非読んでみてください!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました